薬膳の考え方③~からだの機能を表す「五臓」

2021年8月3日

五臓

 

以前の記事で、気・血・水の巡りやバランスを整えているのは「五臓」であり、食べ物が五臓に働きかけているとお話ししました。(薬膳の考え方①~季節と体質で食事を考える

今回は、その「五臓」と、考え方のベースにある「五行」についてお話ししたいと思います。

 

五行について

五行とは、森羅万象すべてを「木・火・土・金・水」の5元素に分類した考えです。この5つが持つ性質や特徴に、自然に存在するすべてのものを当てはめて分類しています。

五行の「行」という字には、巡るという意味と秩序という意味があります。五行とは木・火・土・金・水それぞれが自然に助け合い、また、抑制しながらバランスをとっているという意味です。このバランスが崩れると自然界では天災・災害になり、身体では病気となってあらわれます。

のびのびと上に向かって伸びる性質
火は燃えてものを温め、温度が上昇する
土は収穫や豊かな栄養を表す
金は鉱物。収斂するはたらきを意味する
水は冷やし、潤す、上から下へ流れる性質

五行学説では、森羅万象すべてを五行の特性にあてはめて分類しています。

例えば方位。東は日の出る方角で、昇る特性の木があてはまります。南は炎熱で火が、日没の西は下降特性を持つ金、北は寒冷で冷たい水が該当します。土は大地を表すことから中央になります。

季節は日本では四季ですが、中医学発祥の黄河流域では、夏と秋の間の暑くて雨の続く頃を長夏(ちょうか)として「春・夏・長夏・秋・冬」の五季に分類します。日本では順序が異なりますが梅雨の頃の気候をあてはめます。

同じように、味は「酸・苦・甘・辛・鹹(かん)(塩辛い)」の五味に、色は「青・赤・黄・白・黒」の五色に分類されます。

人体臓器は「肝・心・脾・肺・腎」の五臓に分類されます。

 

五臓

生命を維持するために欠かすことができず、重要な働きをする器官を機能別に分類したのが「五臓」です。

五臓も「五行」の分類に基づくもので、人体の器官を、機能や特徴別に肝・心・脾・肺・腎の5つに分類しています。

血の貯蔵倉庫として流量をコントロールし、血流や水(津液)の代謝を促進する働きを持っています。

西洋医学における肝臓の働きだけでなく、自律神経を調節し、情緒を安定させたり、視覚系や性ホルモン系をも総括するものとして位置づけられます。

心臓、血液、血管、血液に関するものを総括し、血液を全身に巡らせ、意識や思考を正常に保つものです。

飲食物を消化吸収し、栄養となるものを作る臓器です。水分代謝を良くし、筋肉に力をつける働きもあります。

呼吸に関わる口、鼻、気管支、肺、皮膚などを含み、呼吸を正常に営ませ、水分を全身に巡らせる働きを持つものです。

造血やホルモンの調整を通じて、発育や生殖、排便や排尿を調節するものです。生命力そのものとして表現される場合もあります。

 

まとめ

五行に分類された自然環境、人体の中で同じ分類に属するものは、互いに関係しあい影響を与えます。

たとえば、木の性質を持つ「肝」は、植物が育つ「春」によく機能します。肝が機能できなくなると、五腑の胆に影響を与えます。そして、顔が「青」くなったり、「目」が病んだりしてきます。その影響は自律神経にも現れ、「怒」りやイライラという感情になると考えられています。

五臓は、それぞれの機能を調整するのに有効な食品があります。このブログのレシピページでは、食材ごとに「帰経」という項目で、その食材がどの臓器に働くかを記載しています。五臓の不調が気になる場合に、意識して摂ることを心がけてください。