薬膳の考え方~季節と体質で食事を考える
薬膳について
このブログの目的は、美食を健全に楽しんでいこうというものです。
今の日本は、専門店だけでなく、家庭でも世界中の料理を食べることができる豊かな(贅沢な?)ものになっていますが、一方では生活習慣病や環境汚染、ストレスフルな社会など、健康にとっての脅威に取り囲まれています。
これらの脅威に負けず、毎日の三度三度の食事を美味しく満たされたものとするためののレシピや知識をお伝えし、健康で美味しい食生活に役立てていただきたいと考えています。
この考え方のベースにあるのは、4000年の歴史を持つ中医学をベースにした「薬膳」です。
薬膳といっても、薬臭い漢方薬を使うものではありません。
ここでお伝えする薬膳とは、今の自分を取り囲んでいる自然や季節を理解し、自身の体質や体調を知り、それに見合った食材を使って、美味しく(←ここが重要)食べていこうとするものです。
長い年月をかけて培われてきた中医学では、目に見えない事象で説明されることが多く、食材の性質や効能についても、科学的な分析によって説明されているものではありません。しかしながら、現代の栄養学で分析された栄養成分や研究された機能性と大きく外れてはいないのも事実です。
ここでは、まず薬膳の基本的な考え方についてご紹介していきます。
季節と体質
健全でいるためには、まず自分の身体の状態を知り、季節がもたらす影響を考え、身体に合ったものを食べることが大切です。
食事が健康の源という考えは、「薬食同源」という言葉で表現されます。
一般には「医食同源」という言葉が耳慣れていますが、これは日本で漢方を普及させるときに造られた言葉で、 昔からある言葉は「薬食同源」と言います。 意味は同じで、 食べ物と薬がもとは一緒であるという意味です。食べ物が薬と同じように身体に作用していくということですね。
人はそれぞれ違った体質を持っています。その体質を重視し、気候の影響を考え、それぞれに合ったものを食べようとするのが薬膳の基本的な考え方です。
食べたものが身体に影響していく
人の身体は気と血と水で構成されていて、それらの巡り方やバランスによって体質の違いが生まれます。
これらを働かせているのが、肝・心・脾・肺・腎の五臓です。食べ物(食材)は、これら五臓に働きかけて、生命活動を維持しています。
食べ物には、酸味・甘味・苦味・辛味・鹹味5つの味(五味)があります。鹹味というのは、しょっぱい味のことですね。
さらに、食べ物が身体に与える影響を表すものとして、五味の他に「四性」があり、熱・温・涼・寒として表現されます。四性いずれにも属さない場合は、平と表現されます。
さきほど、気・血・水の巡りやバランスが体質の違いに繋がると説明しました。食べ物の五味や四性を理解し、適切なものを食べることで、気・血・水のバランスをとり、調整していくことが、薬膳の考え方となるのです。
薬膳というと、漢方薬を使うものと誤解されがちですが、そうではありません。
要は、今の自分の状態を知り、適した食材を選んでいけば良いワケです。
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